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思わずカメラを向けたくなる、松島の自然美と伝統美

2016/11/29

日本を代表する景勝地、松島

JR仙台駅から仙石線「石巻行・高城町行」に乗車して約40分。JR松島海岸駅で下車すると、すぐ目の前に日本三景・松島の海が広がります。
松島は、太平洋に面する松島湾内外に約260の島々が浮かぶ景勝地です。大小さまざまな島の中には、浸食によって珍しい形をなすものあり、青々とした松林をいただくものありと、きらめく海面の上に目を見張る光景を形づくります。

まるで盆栽のような端正な美しさの伊勢島(右)と小町島(左)。松島の島の中でも女性的な美しさと言われています。

地殻変動や海水面の上昇などによって、約5000年前には今のような姿になったといわれており、平安時代には歌人によって歌に詠まれるなど、古くからその佳景が知れ渡っていました。また長年にわたり多くの人が行き交う中で、自然美だけではなく歴史や文化も豊かに育まれたことから観光資源も多く、見応えのあるエリアとして人気を集めてきました。現在は、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の三ツ星獲得や「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟という話題もあって、国内はもとより海外からも多くの観光客が足を運んでいます。

海上から絶景を満喫する松島湾クルーズ

松島に訪れたらまず体験したいのが、遊覧船にのって海上から島々を間近で眺める松島湾クルーズです。クルーズを運営するひとつ、「丸文松島汽船」ではさまざまな遊覧コースを用意していますが、定番人気なのは松島湾を50分で巡る「松島湾周遊コース」(大人1名1,500円~。要予約)。JR松島海岸駅から徒歩5分の場所にある遊覧船のりばから、1時間おきに遊覧船が出航しています。

俳人松尾芭蕉から名付けた「芭蕉丸」。二階のデッキには無料で上がることができ、潮風を浴びながら遊覧を楽しめます。

遊覧船は浅瀬にも進み、島を間近で見ることができるので迫力満点。また船内にはアナウンスが流れ、島の名前の由来や見どころ、シャッターチャンスの瞬間なども丁寧に教えてくれます。

仙台藩主・伊達政宗公が松島を遊覧した際、島の形の良さに感激し「あの島を余の館に運ぶ物あらば銭千貫を遣わす」と話したという逸話が残ることからその名がついた千貫島。

国宝 瑞巌寺で絢爛豪華な桃山建築に息をのむ

船の中から松島の自然美を満喫した後は、歴史ある松島の伝統美に触れてみましょう。遊覧船のりばから500mほど内陸に進むと、東北随一の禅刹・瑞巌寺(ずいがんじ)の参道に到着します。平安時代初期に創建された延福寺を、伊達政宗公が瑞巌寺として再興しました。丸4年の歳月をかけて1609年に完成した堂舎は華麗な桃山文化の影響を多大に受けており、絢爛豪華な用材や彫刻、障壁画などがふんだんに取り入れられています。

「平成の大修理」を終えた本堂。屋根の色が微妙に違って見えるのは、各時代の修理で瓦を一部交換しているからなのだそうです。

中でも国宝に指定されている本堂は、圧巻の一言。正面39m、奥行25.2mの堂内には10室がしつらえられ、金箔押しの襖絵、繊細な装飾の欄間や飾金具など、まばゆいばかりの美しさを放っています。この本堂は、2008年から続く「平成の大修理」として修理が行われていましたが、2016年4月に工事が終わり7年ぶりに拝観が再開されました。

大屋根の上に立派な煙出をのせる庫裡。内部も一部見学することができます。

禅宗寺院の台所である庫裡(くり)も、本堂と同じく国宝に指定、さらにその規模や造りの素晴らしさから「日本三大庫裡」のひとつとされています。見どころは、大屋根の上に突き出している入母屋造の煙出(けむりだし)。また正面の千鳥破風の下には唐草の透かし彫りが施されるなど、名工の技が光る造りとなっています。
境内は、現在も1900年以来の大規模な修理が行われていて、一部拝観できない箇所もあります。また、東日本大震災による津波で被害を受けた参道の杉木立の復興工事も行われています。堂舎の修理は2018年3月、参道は同年6月に完成する予定です。

「苔寺」「バラ寺」の異名を持つ美しい円通院

瑞巌寺に隣接する円通院(えんつういん)は、庭園が美しい臨済宗の寺院です。水を用いず、地形や砂礫、石のみで山水を表現する日本特有の様式の一つである枯山水、小堀遠州作庭といわれる心字の池を有する「遠州の庭」、さらに初夏には約150種類のバラが咲き誇る西欧風の庭などが境内を美しく彩ります。

石庭をのぞむ位置に据えられた腰掛待合は外国人観光客に人気のスポット。ここに座って休憩したり、写真を撮影したりする人が多いのだそうです。

また境内には、伊達政宗公の嫡孫・光宗公の廟所「三慧殿(さんけいでん)」があります。厨子にはヨーロッパに渡った伊達家家臣・支倉常長がローマから持ち帰ったとされる洋バラのモチーフをはじめ、フィレンツェを象徴する水仙、トランプの模様など西欧の文化を色濃く感じさせる模様が描かれています。当時鎖国体制を敷いていた日本では西欧風の厨子の扉を開けることはできなかったため、3世紀半もの間公開されず、現代まで美しい姿が保たれたのだそうです。

杉木立の参道を抜けた先にたたずむ三慧殿。厨子に洋バラが描かれていたことから、境内でバラなどの西洋の花が育てられるようになりました。

また「遠州の庭」をのぞむ本堂に隣接している庫裡では、御供養を済ませた天然石などでオリジナルの数珠を作る体験をすることもできます(御供養料 天然石3,000円~、予約不要)。色や質感から好みの石を選び、つなぎ合わせて約20分で完成。出来上がったら、旅の思い出に持ち帰ることができます。

材質はプラスチック、ガラス、天然石から選べます。天然石で作る場合は、完成後に選んだ石についての説明を聞くことができます。

モダンなカフェ&土産物店で楽しむ

円通院を出て再び海岸沿いに出ると、そこにはお土産屋などが軒を連ねる町並みが広がります。ちょっとひと息入れたい時は、カフェ「松華堂菓子店」に足を運んでみてはいかがでしょう。ガラス張りのモダンな店内からは、松島湾の絶景を一望することができます。

木のぬくもりがやさしい「松華堂菓子店」の店内からは、松島のシンボル「五大堂(写真左側の建物)」を間近に見ることができます。

甘いものが欲しくなったら、懐かしさと新しさが同居する「松華堂プリン」(ドリンクセット720円、単品480円)をオーダー。しっかり固めのつくりながら口に運ぶとふわりと溶けるプリンの素朴な甘味と、ほろ苦いカラメルの相性が絶妙です。

同じ建物の1階には、土産物店「松島雪竹屋(ゆきたけや)」があります。お店の歴史は古く、100年以上前にさかのぼるそうです。かつては食堂やまんじゅう屋だったこともありましたが、現在は「人の手のぬくもりがする」宮城のお土産品を中心に販売。世界でここにしかない、オリジナルの商品も販売しています。店頭では焼きたて煎餅(300円)も販売しているので、小腹がすいた際はぜひお試しください。

宮城の郷土玩具、こけしをモチーフにしたキーホルダー(648円)や通信筒(648円)、松島をモチーフにした手ぬぐい(1,080円~)など、お店オリジナルの商品も豊富です。

松島は自然の美しさ、歴史や文化の素晴らしさに恵まれています。さらに夏は穴子、冬は牡蠣、山や里の幸もふんだんに採れる、グルメのまちでもあります。海岸沿いには温泉も湧いているので、宿泊も兼ねてじっくりと松島を満喫することをおすすめします。

松島海岸駅前V案内所(外国語インフォメーションセンター)
http://www.spending-time-sendai.jp/spot/50004/
丸文松島汽船 松島発乗場(松島海岸レストハウス)
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瑞巌寺
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円通院 国指定重要文化財三慧殿
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